身体智
現代人は皆、あらゆることを外から得た知識や情報に頼って生きている。
それが正しいと思って生きている人も少なくないのではないだろうか。
しかし、自分が本当に必要としているものは、自分の身体が一番知っている。
身体の細やかな感覚と要求を感じ取っていけば、そこに自分に必要な情報がある。
外から得て頭のなかに詰め込まれただけの知識や情報ではなく、
自分の身体から得られる知識と情報である。
身体は全てを知っている。
これを身体智と言ったりする。
知識や情報というものは、
外から得るものと裡から得るものとの2つがある。
現代社会は外から得ることばかりに重点が置かれていて、裡から得ることの重要性が完全に忘れ去られている。
外から得るだけでは、それが自分にとって必要なものなのかどうかの判断がつかない。
身体と心の要求を明確に感じ取っていくことではじめて、必要不要を選り分けることができ、外から得たものが生かされていく。
裡から得るとは、頭で考えるのではなく、勘と感覚で感じ取ることである。
心も身体も、常に色々の要求を出している。
だがこの要求を聞き取っていくのはなかなか容易ではない。
本来の要求が別な要求に形を変えてしまってるものは本当に多い。
本来の要求というのは、大概は簡単には感じられない裡側に隠れている。
表に出てる要求を本来の要求と思ってしまうと、大変な間違いになる。
だから、心身の要求という、裡側からの知識と情報を得ていくにはどうしても訓練がいる。
訓練を重ねていけば、氾濫している知識や情報に振り回されることも減っていく。
自分の勘と感覚を頼りに生きられるようになる。
勘と感覚を養っていくこと、これが身体智を知ることである。
一休