信念の転換
目に映る現実というものは、心の反映であり、それまで自分が信じてきたことの産物のようなものであります。
なにか困ったこと、悩んでしまうことが起これば、なんとかして状況を変えようと苦慮し、奔走したりするものですが、
結局そこで何を行っているのかと言えば、
その本質は、
状況に向き合うということを通して、
自身の心の在り方を変えてゆこうとしているのであります。
良くない形で信じ込んでしまっているもの、
信念の転換を行っているわけです。
実体は、目に映る状況にあるのではなく、
自身の心の方にあるのです。
現実は幻想であると言われる所以です。
であるから、
修行者としては、状況の方にばかり意識を向けるのではなく、
自身の心の在り方ということの方に常に意識を向けていることが、
何より重要になってくるものと思うのであります。
状況のせい、人のせい、世の中のせい、
過去のせい、生い立ちのせい、
そう思ってしまう気持ちは起こります。
が、
そう思うことに留まっているうちは、物事は良い方に進んでは行かない。
すべては自身の心の在り方、
持っている信念の形にあるのだということを知り、
そこを変えてゆくためにあるのが、
目に映る現実であり状況であると、
実体は、自身の裡にあるのだということを、
そういうことを、
仏陀も賢者たちも説いているものと思います。
一休